胃・十二指腸の病気
胃がん
胃がんとは?
胃がんとは胃の粘膜から発生するがんで、毎年4万人近くの方が胃がんで死亡していますが、徐々に減少傾向です。
胃がんの原因は?
胃がんの原因として遺伝的因子と環境的因子がありますが、胃がんの発生には特に環境的因子の関与が大きいと考えられています。その中でもピロリ菌感染が最もよく知られており、胃がんの99%にピロリ菌感染が確認されています。また過剰な塩分摂取、喫煙、飲酒なども胃がんのリスク因子として関与しています
胃がんの症状と検査は?
早期の胃がんは通常症状はありませんが、進行すると黒い便やみぞおちに痛み、体重減少などの症状が現れることがあります。胃がんの検査は一般的に胃カメラによる内視鏡検査が行われます。
胃がんの治療は?
早期の段階では内視鏡で治療可能です。内視鏡治療が困難な場合や進行した段階では手術や抗がん剤治療が選択肢としてあります。 胃がんは早期発見し、適切な治療ができれば、根治が可能な病気です。 当院では積極的に胃がんの早期発見に取り組んでいます。症状のある方はもちろんですが、ピロリ 菌に感染している方や心配な方はお気軽にご相談ください。
胃ポリープ
胃ポリープとは?
胃ポリープは胃の粘膜がイボのように膨らんだもので、良性の隆起性病変を指します。 代表的なものとして胃底腺ポリープと過形成性ポリープがあります。胃底腺ポリープは周囲の胃粘膜と 同じような色合いのポリープで、ピロリ菌の影響のない胃から発生します。悪性になる頻度は極めて低 く、治療の必要はないとされています。一方過形成性ポリープの多くはピロリ菌感染により炎症が起 こった胃から発生する赤みの強いポリープです。ピロリ菌の感染がある場合は除菌することで小さくな ることが期待できます。ほとんどが無症状ですが、貧血の原因になったり、増大傾向にある場合には内 視鏡治療を検討することがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは?
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は食物を分解する働きを持つ胃酸や消化酵素が胃や十二指腸の粘膜を深く傷つけてしまうことで起こります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因は?
原因として胃粘膜にピロリ菌が感染することや薬剤(解熱鎮痛剤などの非ステロイド性抗炎症薬)、強いストレスなどがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状と検査は?
胃潰瘍・十二指腸潰瘍ができると、みぞおちあたりの鈍い痛みや食欲不振、嘔気が見られます。また黒い便が出たり、血を吐いたりすることがあり、緊急の処置が必要になることがあります。潰瘍が疑われた場合は胃カメラで確認します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療は?
潰瘍から出血を認めた場合は内視鏡的な止血術が必要となりますが、出血がなければ薬物治療を行います。胃酸の分泌を抑えたり、胃粘膜の防御機能を高める薬を用いて治療を行います。6−8週間 で潰瘍は治癒しますが、再発しないように原因を取り除く必要がありますので、お困りの時は当院 へ気軽に相談ください。
ピロリ菌
ピロリ菌とは?
ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリと言います。ピロリ菌は幼少期に口から侵入し、胃粘膜に住みつく細菌です。胃粘膜にピロリ菌が感染すると、慢性胃炎を引き起こしますが、多くは無症状のまま経過します。しかし一部の人では胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こしたり、また胃がんの原因となったりします。
ピロリ菌の検査は?
ピロリ菌の感染を調べるには血液検査や呼気検査・便検査で調べる方法があります。また胃カメラを用いて調べる方法もあります。
ピロリ菌の治療は?
感染が確認できれば、飲み薬での除菌が可能です。 ピロリ菌が原因となる病気を予防するには、早めの診断と治療が重要です。ピロリ菌を除菌することで、胃がん発生の危険性を1/3程度の減らすことができると報告されています。 当院では積極的にピロリ菌の診断と治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
十二指腸ポリープ
十二指腸ポリープとは?
十二指腸ポリープは十二指腸の粘膜がイボのように膨らんだ隆起性病変を指します。内視鏡検査の普及 や機器の発展により十二指腸ポリープを発見する頻度が増加しています。ほとんどが良性のポリープで すが、中にはがんに進展するポリープもあるため注意が必要です。胃や大腸のポリープであれば積極的 に組織を採取(生検)し顕微鏡検査を行いますが、十二指腸ポリープにおいては生検することでその後 の治療の妨げになることがあるので、むやみに生検は行わず、胃カメラで詳細に観察することが大事で す。小さなポリープであれば基本的には胃カメラによる経過観察が推奨されます。増大傾向にある、も しくは一部ががん化している可能性がある場合は、生検は行わず治療可能な連携施設へ紹介させていた だきます。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは?
機能性ディスペプシアは、症状の原因となる異常がないのに、胃の不快感や痛み、膨満感、吐き気、食欲不振などの様々な症状を呈する病気のことをいいます。
機能性ディスペプシアの原因は?
ストレスや不眠、過度の飲酒や喫煙、食生活の乱れ、感染症などが原因として考えられていますが、複数の要因が関わって症状が起こると考えられています。
機能性ディスペプシアの症状と検査は?
胃の不快感や痛み、膨満感、吐き気、食欲不振などの様々な症状が現れます。血液検査や腹部エコー、胃カメラを行い、原因となる病気がないことを確認することが大切です。
機能性ディスペプシアの治療は?
治療としては生活習慣や食習慣を改善することが重要です。さらに胃酸を抑える薬や胃の動きを良くする薬、漢方薬などの内服治療も行います。症状が改善する方もいますが、良くならない方もい ます。良くならない方は最初より症状が軽くなることを目指すことが良いとされています。
アニサキス症
アニサキス症とは?
アニサキスは寄生虫の一種で、サバやアジ、カツオ、イカなどの魚介類に寄生しています。
アニサキス症の原因は?
アニサキスが寄生している魚介類を生、もしくは不十分な冷凍・加熱の状態で食べることで起こる 食中毒です。アニサキスが消化管(90%以上が胃)に刺入して強い症状が出ます。酢でしめたり、醤油 につけるだけでは予防効果はありません。
アニサキス症の症状と検査は?
胃のアニサキス症の場合、生魚摂取後8時間以内にみぞおちの激しい痛みと嘔吐症状が出現します。 腸アニサキス症では数時間から数日後に症状が出現します。蕁麻疹などのアレルギー症状が出現する こともあります。診断としては問診である程度推測は可能ですが、胃カメラで確認する必要がありま す。
アニサキス症の治療は?
胃カメラにより胃に刺入したアニサキスが確認できれば、内視鏡で摘出が可能です。この病気は予 防が最も大事です。アニサキスが寄生している可能性のある魚介類を食べるときには、十分に加熱 する(70度以上もしくは60度1分以上)、もしくはマイナス20度で24時間以上冷凍することで アニサキスは死滅するといわれています。
アクセス
診療科目
内科 消化器内科
内視鏡内科
院長
森田 幸弘
住所
〒520-3037
滋賀県栗東市北中小路
344-1
TEL
077-516-4155
FAX
077-516-4644
アクセス
JR栗東駅西口 徒歩10分
JR栗東駅から車で3分
●=診察・胃カメラ
☆=胃カメラ・大腸カメラ
女性外来 第2・第4土曜日(午前)
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