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大腸の病気について

大腸は水分吸収と便の形成を担う重要な臓器です。大腸の病気には、ポリープやがんなどの腫瘍性疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、便秘症や過敏性腸症候群などがあります。近年、食生活の欧米化により大腸がんが増加し、日本人のがん死亡原因の上位を占めています。
栗東市・北中小路・栗東駅にあるもりた内科クリニックでは、消化器病専門医・内視鏡専門医として、大腸疾患の早期発見と適切な治療に取り組んでいます。
このような場合はご相談ください
- 血便がある、便潜血検査が陽性
- 便通の変化(便秘・下痢)が続く
- 腹痛、腹部膨満感
- 体重が減少している
- 家族に大腸がんの方がいる
- 今まで大腸の検査を受けたことがない
- 痔だと思っていた出血が続く
- ストレスで便通が乱れる
血便・便潜血陽性
血便・便潜血陽性とは
血便は肉眼的に便に血液が混じった状態で、便潜血陽性は肉眼では見えない微量の血液が便に混入している状態です。大腸がん検診で重要な検査所見であり、陽性の場合は精密検査が必要です。
血便・便潜血陽性の原因
- 大腸がん・大腸ポリープ
- 痔核・裂肛などの肛門疾患
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
- 感染性腸炎
血便・便潜血陽性の症状
- 鮮血便:肛門に近い病変
- 暗赤色便:大腸の病変
- 黒色便(タール便):胃・小腸の病変
- 便潜血陽性は目視出来ないことが多い
血便・便潜血陽性の検査
- 大腸カメラ検査:最も重要な精密検査
- 直腸診:肛門疾患の確認
- 血液検査:貧血の有無、炎症反応
血便・便潜血陽性の治療
原因疾患により治療法が異なります。大腸ポリープは内視鏡的切除、痔核は保存的治療または手術、炎症性腸疾患は薬物療法を行います。便潜血陽性を放置せず、必ず精密検査を受けることが重要です。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは
大腸の粘膜にできる隆起性病変で、腺腫性ポリープは前がん病変として重要です。大腸がんはポリープから発生する場合があるため、ポリープの切除が大腸がんの予防に繋がります。
大腸ポリープの原因
- 加齢
- 遺伝的要因
- 生活習慣(高脂肪食、運動不足)
大腸ポリープの症状
- ほとんどが無症状
- 大きなポリープの場合:出血
大腸ポリープの検査
- 大腸カメラ検査:ポリープの確認、悪性度の評価
- 生検:必要に応じて組織診断
大腸ポリープの治療
ポリープの種類や状態に応じた方法でポリープ切除を行います。切除後は定期的な内視鏡検査でフォローします。
大腸がん
大腸がんとは
大腸粘膜から発生する悪性腫瘍で、日本人のがん罹患数第1位、死亡数第2位を占めます。早期発見により内視鏡治療で根治可能ですが、進行すると予後不良となるため、定期検診が極めて重要です。
大腸がんの原因
- 加齢
- 家族歴
- 生活習慣(赤肉・加工肉の過剰摂取、アルコール摂取、運動不足)
- 炎症性腸疾患の長期罹患
大腸がんの症状
- 早期:多くは無症状
- 進行期:血便、便通異常(便秘・下痢)、腹痛、腹部膨満感、体重減少、貧血
大腸がんの検査
- 便潜血検査:スクリーニング検査
- 大腸カメラ検査:確定診断と範囲の評価
- 生検:組織診断
- CT検査・MRI検査:進行度の評価、転移の確認
大腸がんの治療
早期がんは内視鏡的治療で根治が望めます。進行がんは外科手術や化学療法、分子標的薬治療によって治療します。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患とは
原因不明の慢性腸炎で、潰瘍性大腸炎とクローン病が代表的です。若年者に多く発症する傾向があり、寛解と再燃を繰り返す難病です。
炎症性腸疾患の原因
- 遺伝的素因
- 免疫異常
- 環境因子(食生活の欧米化)
- 腸内細菌叢の異常
炎症性腸疾患の症状
- 潰瘍性大腸炎:血便、粘血便、下痢、腹痛
- クローン病:腹痛、下痢、体重減少、発熱
炎症性腸疾患の検査
- 大腸カメラ検査:炎症の範囲と程度を評価
- 生検:確定診断
- 血液検査:炎症反応、栄養状態
炎症性腸疾患の治療
5-ASA製剤やステロイド剤、生物学的製剤などの使用による寛解導入と維持療法が基本です。栄養療法も重要な治療の一つです。
便秘症
便秘症とは
排便回数の減少や排便困難感がある状態を言い、高齢者や女性に多い傾向があります。
便秘症の原因
- 機能性便秘:食物繊維不足、運動不足、水分不足
- 器質性便秘:大腸がん、腸管癒着
- 薬剤性便秘:抗コリン薬などの使用
便秘症の症状
- 排便回数の減少
- 硬便、兎糞状便(硬く、コロコロした便)
- 排便時のいきみ、残便感
- 腹部膨満感、腹痛
便秘症の検査
- 問診:排便習慣、薬剤歴
- 腹部診察:腸管の触知
- 大腸カメラ検査:器質的疾患の可能性を除外するため
便秘症の治療
食物繊維や水分の積極的な摂取、適度な運動が効果的です。必要に応じて薬物療法を行う場合もあります。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは
器質的異常がないにも関わらず、慢性的に腹痛と便通異常を繰り返す病気です。ストレス社会を反映して増加傾向にあり、生活の質を大きく低下させます。
過敏性腸症候群の原因
- ストレス、心理的要因
- 腸管運動異常
- 内臓の知覚過敏
- 腸内細菌叢の乱れ
過敏性腸症候群の症状
- 下痢型:突然の下痢、便意切迫感
- 便秘型:便秘、腹部膨満感
- 混合型:下痢と便秘を繰り返す
過敏性腸症候群の検査
- 血液検査:器質的疾患の可能性を除外するため
- 大腸カメラ検査:器質的疾患の可能性がある場合
過敏性腸症候群の治療
ストレス管理や規則正しい生活、適度な運動や食事療法を中心に、必要に応じて薬物療法を行います。
虚血性腸炎
虚血性腸炎とは
虚血性腸炎は一時的に大腸の血流が急激に減少することで、大腸の粘膜に炎症が起こり、腹痛や血便が生じる病気です。
虚血性腸炎の原因
原因としては血管側の原因と腸管側の原因があり、両者が複雑に関与し発症するとされています。血管側の原因としては動脈硬化の関与があり、腸管側の原因として便秘や下剤の関与があります。若年者では腸管側の原因であることが多いですが、高齢者では両者の関与が大きいとされています。
虚血性腸炎の症状
- 突然の激しい腹痛(主に左下腹部)
- 下痢(初期は普通便、その後血便へ移行)
- 鮮血便または暗赤色便
- 吐き気、嘔吐を伴うこともある
- 発熱は軽度またはないことが多い
虚血性腸炎の検査
- 大腸カメラ検査:粘膜の虚血性変化(発赤、浮腫、潰瘍)を確認
- CT検査:腸管壁の肥厚、腸管周囲の炎症を評価
虚血性腸炎の治療
ほとんどの方は軽症で消化の良い食事と安静で数日以内に軽快しますが、症状が強い場合には腸管安静のため入院し点滴治療を行うことがあります。ごくまれに重症化して外科的な治療が必要となる場合もあります
感染性腸炎(食中毒)
感染性腸炎とは
感染性腸炎とは、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原微生物が腸管に感染することで発症します。多くはそのような病原微生物に汚染された食品や水を摂取することで感染します(食中毒)。また感染者の便や嘔吐物に触れた手を介しても感染が広がります。夏場には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生します。
感染性腸炎の原因
細菌性腸炎の原因としてカンピロバクターや大腸菌、サルモネラがあります。ウイルス性腸炎の原因としてはノロウイルスやロタウイルスがあります。
感染性腸炎の症状
発熱や腹痛、下痢、嘔気などの症状があります。また原因の細菌によっては便に血液が混じることもあります。感染から数時間から数日の潜伏期間を経て発症します。
感染性腸炎の検査
- 便培養検査:原因となる細菌の特定
感染性腸炎の治療
吐き気止めや整腸剤などの内服を行うことで通常は1週間程度で症状は治ります。下痢止めについては腸管内の病原微生物の排泄を遅らせるため原則使用しません。脱水症状が強い場合は点滴を行ったり、重症化する恐れがあったりする場合には入院治療が必要になることもあります。手洗いや食品の加熱調理により、予防が可能です。
大腸の病気は当院へ

もりた内科クリニックでは、消化器病専門医・内視鏡専門医として、年間数多くの大腸カメラ検査を実施しています。当院の内視鏡システムと鎮静剤使用により、苦痛の少ない検査を提供し、ポリープがあればその場で切除も可能です。
大腸がんは早期発見により完治可能な病気です。便潜血陽性を指摘された方、大腸の不調でお悩みの方は、お早めにご相談ください。
